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笑いの大学
やっと、笑いの大学を見ました。

この映画は戦時中が舞台で、警察の検閲官と舞台の脚本家ののやり取りで、ほとんど2人で映画は完結します。

戦時中だから、その時代にふさわしくないものを削除し、さらに、愛国心や戦争を賛美する内容を入れさせようとする検閲官と、笑える舞台を作りたくて、笑いというものを心から愛する脚本家のやりとりです。

見てる最中は、本当に面白くて、かなり大声で笑ってしまいます。役所広司という俳優がとにかくすばらしいということが良く分かります。

その時代、笑うことから取り残された検閲官が、いつの間にか自分で笑うということに目覚め、笑える芝居を自ら提案していく姿は滑稽でありながら、そこにその時代の抑圧された人たちの葛藤が垣間見えます。

だから、途中で時代背景を忘れてしまうのですが、最後の最後で戦争という時代と、その当時の警察の立場を気づかされます。それは、その中にいる、検閲官と舞台作家も同じく気づくのです。
やっとおりると思っていた上演許可。その直前まで、検閲官と作家は出来上がった作品を2人で模擬演技しているのです。しかし、片づけをしながら舞台作家が笑いに対する思いと検閲というものに対する自分の意見をつらつらと述べるのですが、そこで、検閲官は自分が警察の人間であるということを思い出すのです。その意見がいわゆる危険分子であるということの証明であると、最後の脚本の手直しを命じます。

そして、その最後の検閲のとき、舞台作家が取り出し、見せたものは-

最後の最後までは、普通のコメディーです。しかし、本当に最後の10分ぐらいですべての笑顔が消え去ってしまいます。かなり、へこみますが、一気に思考を変更させられてしまうのです。

改めて三谷幸喜というのは本当にすごい人なのだなぁと思います。脱帽です。

できれば、エンドロール最後までみるといいと思います。
by hishi1224 | 2005-12-29 08:45 | 映画のこと

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